両親が離婚しても、子どもにとっては父であり母であることは変わりありません。父母は、子どもの生活(衣食住,教育,医療など)について、自分自身の生活 と同じ水準を保障する義務を負っています(これを「生活保持義務」といいます)。この義務に基づいて父母が負担する費用が、養育費です。

養育費は、子どもの生活を送る上で必要な費用であり、親権者であるかどうかにかかわらず負担する義務があります。

平成23年の民法改正により、離婚する際に養育費について父母が協議するよう法律上明文化され、現在、離婚届には養育費の取り決めのチェックをする欄が設けられています。(もっとも、記載しなくても離婚届は受理されます。)

支払期間

一般的には、子どもが成人したとき(20歳)までといえますが、親の資力、学歴、子どもの進学希望などの事情により、高校卒業(18歳)まで、または大学卒業(22歳)までなどとすることもあります。

支払金額

養育費の金額は、夫婦で協議し、収入・財産、子どもの将来を考慮して決めることになります。夫婦間で協議しても決まらない場合には、家庭裁判所に調停の申立てをして決めることになります。

家庭裁判所の実務では、東京と大阪の家庭裁判所の裁判官と調査官が協力して作成した「算定表」が参考とされています。

調停前に夫婦が協議する際にも、この「算定表」を参考とすることで、円満な話し合いをすることが期待できます。

もっとも、「算定表」は一般的事情を想定していますので、個別の事情(例・子どもが学費の高い学校に進学している、学習塾の費用がかかる)があれば、それらの事情を考慮して養育費を決めていくことも重要です。

養育費の支払額の変更

養育費の支払いは長期に及びますので、例えば、支払う側の失業・病気による長期入院、受け取る側の再婚などによって、一度決めた養育費の金額の変更が認められることがあります。

「正当な養育費の額はいくらくらいなのか知りたい」「相手と養育費の話し合いをしているがまとまらない」など、養育費に関することは当事務所にご相談ください。